授乳期の姿勢とデスクワークの姿勢、首への負担を比較する

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「授乳のたびに首や肩が固まる気がする」「デスクワークをしていると気づけば首が前に出ている」——どちらも、日常の中で繰り返される姿勢が首や肩に負担をかけている典型的な例です。

授乳期の抱っこ姿勢と、デスクワーク中の前かがみ姿勢は、一見まったく違う場面のように思えますが、首が同じような角度で長時間固定されやすいという共通点があります。

どちらも「毎日の当たり前」として繰り返されるからこそ、負担が蓄積していることに気づきにくいという厄介さもあります。整体師として体を見てきた立場から、この二つの姿勢がそれぞれどのように首へ負担をかけているのか、共通点と違いを整理しながら比較していきます。

授乳期の姿勢が首・肩に与える負担とは

授乳中は、赤ちゃんの顔を見ながら、腕の中でしっかり支えようとするあまり、自然と頭が前に傾き、背中が丸まった姿勢になりやすくなります。1回の授乳が短くても、1日に何度も繰り返されることで、首を前に傾けた姿勢の合計時間はかなりの長さになります。

さらに、授乳中は片腕や両腕がふさがっているため、途中で自由に姿勢を変えにくいという事情もあり、首や肩まわりの筋肉が緊張したまま固定されやすい状況が続きます。夜間の授乳では照明を落とした薄暗い状態で行うことも多く、赤ちゃんの顔をのぞき込もうとしてさらに首が深く前に倒れてしまう場面も見られます。

デスクワークの姿勢が首・肩に与える負担とは

デスクワークでは、モニターやキーボードに集中するうちに、頭が体より前に出た、いわゆるストレートネックに近い姿勢になりやすいことが知られています。椅子や机の高さが体格に合っていないと、その傾向はさらに強まりやすくなります。

授乳と違い自分のペースで休憩を挟めるという違いはあるものの、業務に集中していると数十分から数時間、同じ姿勢のまま作業を続けてしまうことも珍しくなく、結果として首の前傾姿勢が長時間固定される点は共通しています。ノートパソコンを使う機会が増えたことで、画面が低い位置にあるまま作業する時間が長くなっている方も多く、首への負担がさらに強まりやすい環境になっているとも感じます。

授乳期とデスクワーク、負担のかかり方の共通点

どちらの場面にも共通しているのは、視線の先にある対象(赤ちゃんの顔、あるいはモニターやキーボード)に集中するあまり、頭が前に出た姿勢を長時間キープしてしまうという点です。頭の重さは体重の約1割ともいわれ、前に傾くほど首の後ろ側の筋肉にかかる負担は増していきます。

授乳もデスクワークも「本人が悪い姿勢だと自覚しにくい」状態で長時間続いてしまうことが多く、気づいたときには首や肩の張りが慢性的になっているケースも見られます。どちらの姿勢も、目の前の作業や赤ちゃんに意識が向いている間は、自分の首がどれだけ傾いているかを客観的に把握しづらいという点も共通しています。

授乳期とデスクワーク、負担のかかり方の違い

一方で違いもあります。デスクワークは基本的に座った状態で、椅子や机、モニターの位置といった環境を後から調整しやすいのに対し、授乳は赤ちゃんを支えるという動作が優先されるため、姿勢そのものを大きく変えにくいという特徴があります。

また授乳期は夜間の授乳やまとまった睡眠が取りにくい時期と重なることが多く、首や肩の疲労が回復しきらないまま次の授乳を迎えるという、休養面での違いも負担の蓄積に影響しています。デスクワークであれば勤務時間外は姿勢を切り替えられますが、授乳期は昼夜を問わず同じ負担のかかる姿勢が繰り返される点も見逃せない違いです。

整体の現場で見えてくる、両方の負担が重なりやすい人の特徴

整体の現場で体を見ていると、育児中でありながら在宅でデスクワークもこなしているという方から、首や肩のこりについて相談を受けることがあります。授乳による前傾姿勢とデスクワークによる前傾姿勢が1日の中で重なると、首の後ろ側の筋肉が緊張する時間がそれだけ長くなり、単独の場合よりも負担が蓄積しやすい傾向が見られます。

忙しい時期ほど自分の姿勢を意識する余裕がなくなりやすい点も、負担を見過ごしやすくしている要因の一つだと感じます。育児と仕事を両立している時期は特に、首や肩の張りを「疲れているから当然」と片付けてしまいがちな点にも注意が必要です。

首への負担を減らすために意識したいポイント

授乳中もデスクワーク中も、姿勢を完全にゼロにすることは難しいものですが、こまめに首や肩を回す、数十分に一度だけでも顔を正面に戻す時間を作るといった小さな工夫が負担の蓄積を和らげる助けになります。

授乳時はクッションなどで腕や赤ちゃんの重さを支え、頭を過度に前傾させずに済む姿勢を作ること、デスクワークではモニターの高さや椅子の座り方を見直すことが、それぞれの場面でできる対策です。日中にどれだけ首へ負担がかかったとしても、夜間しっかりと首を休められる寝具環境を整えておくことも、翌日への疲労の持ち越しを防ぐうえで大切な視点になります。

整体の現場で見えてくるのは、授乳期の姿勢もデスクワークの姿勢も、本人が「仕方ない」と感じながら続けているケースが多いということです。どちらも生活や仕事の中で避けにくい姿勢である以上、完全になくすことよりも、負担がたまり続けない工夫を積み重ねることが現実的な対策になります。

首や肩の張りを「そのうち治るだろう」と放置せず、休憩のタイミングで首を軽く動かす、寝ているあいだに首がしっかり休まる環境を整えるなど、日中と夜間の両方から負担を減らす視点を持ってみてください。忙しい時期こそ、自分の首や肩の状態を数日おきにでも振り返る時間を作ることが、負担の蓄積に早めに気づくきっかけになります。

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