横向きで寝ると、いつも使っている枕の高さがなんとなくしっくりこないと感じたことはないでしょうか。
枕を何度か買い替えても横向きのときだけ違和感が残るという相談を、施術の現場で受けることがあります。
その原因の多くは、枕自体ではなく肩のタイプとの組み合わせにあると考えられます。
実はなで肩といかり肩では、肩から首までの距離が異なるため、横向き寝で必要になる枕の両サイドの高さにも違いが出やすくなります。
枕そのものの品質を疑う前に、自分の肩のタイプを確認してみると、違和感の理由が見えてくることがあります。
体格が似ていても肩のラインが違うだけで、必要な支え方がまったく変わってくることは意外と知られていません。
ここでは、なで肩といかり肩それぞれの特徴を踏まえながら、必要な高さの傾向を見ていきます。
施術で体を見ていると、肩のタイプをまったく考えずに同じ枕を使い続けた結果、首が傾いたまま眠っている方に出会うことがあります。
本人は枕が合わないと感じつつも、原因が肩の形にあるとまでは気づいていないことがほとんどです。
ここでは、なで肩といかり肩それぞれに必要になりやすい両サイドの高さの違いを、比較しながら整理していきます。
なで肩の人に起きやすい隙間
なで肩は肩の傾斜がゆるやかで、首の付け根から肩先までの距離が長くなりやすい体型だといわれています。
横向きに寝たとき、肩と頭の高さの差がどうしても大きくなりやすく、両サイドの高さが低い枕では首が下がった状態のまま固定されがちです。
朝起きたときに首の一方だけがだるく感じるという相談を受けたとき、なで肩の傾向を確認することがあります。
この状態が毎晩続くと、首の片側だけに負担がかかり続けることになります。
本人は「枕が低い」というよりも「体がずり落ちるような感覚がある」といった違和感として捉えていることもあります。
肩幅が狭めの方に多く見られる体型のため、女性からの相談でこのタイプの違和感を耳にすることも少なくありません。
自覚がないまま長年この状態を我慢して眠り続けている方も、決して珍しくないと感じています。
いかり肩の人に起きやすい隙間
いかり肩は肩の傾斜が少なく、首の付け根から肩先までの距離が短めになりやすい体型です。
横向きに寝たとき、肩の高さそのものが元々高い位置にあるため、両サイドの高さが足りない枕では頭が下がってしまい、首が反対側に傾いた状態になりやすくなります。
薄い枕を好んで使っている方の中にも、実はいかり肩による頭の傾きが影響しているケースが見られます。
なで肩の人とはちょうど逆方向の負担が、首にかかりやすい点が特徴です。
肩幅がしっかりしている分、平らな枕では頭の位置そのものが安定しにくいと感じる方も見られます。
筋トレやスポーツで肩まわりが発達している方にも、このタイプの体型は多く見られる傾向があります。
同じ枕でも合う高さが分かれる理由
市販されている枕の多くは、両サイドの高さがあらかじめ一定の設計で作られています。
なで肩といかり肩では、必要になる高さの方向性そのものが逆になりやすいため、同じ枕を使っていても片方には合い、もう片方にはまったく合わないという状況が起こりやすくなります。
どちらか一方の感覚だけを基準に枕を選んでしまうと、もう一方が違和感を我慢し続けることにもなりかねません。
家族やパートナーと一つの枕を共有している場合、肩のタイプの違いが不調の見落とされがちな原因になっていることもあります。
体型が似ているように見える二人であっても、肩のラインだけは大きく異なっているケースも珍しくありません。
枕を買い替える際、身長や体重は意識しても肩のタイプまで考える方は少なく、見落とされやすいポイントのひとつです。
仰向けと横向きで求められる高さは別に考える
肩のタイプによる違いは主に横向き寝のときに顕著に出やすいものですが、仰向けで必要になる首元の高さとはまた別に考える必要があります。
仰向けのときは首元の高さ、横向きのときは両サイドの高さというように、体勢ごとに求められる支え方が変わってくる点を押さえておくと選びやすくなります。
一晩のうちに何度も寝返りを打つことを踏まえると、両方の高さのバランスを確認しておきたいところです。
片方の姿勢だけを基準にして選んでしまうと、もう一方の寝姿勢のときに違和感が残ってしまうこともあります。
寝返りの回数が多い方ほど、両方の高さのバランスが整っているかどうかが体感に直結しやすくなります。
整体師として肩のタイプと枕を見てきて思うこと
施術の現場では、肩のタイプに合わせて枕の両サイドの高さを見直しただけで、横向き寝のときの首の傾きが和らいだという声を聞くことがあります。
自分がなで肩なのかいかり肩なのかは意識しにくい部分ですが、鏡の前で肩のラインを確認するだけでも、おおよその傾向はつかめます。
横向き寝で首に違和感がある方は、まず自分の肩のタイプを把握したうえで、両サイドの高さを調整できる枕を検討してみることをおすすめします。
体型は一人ひとり違うからこそ、決まった高さに自分を合わせるのではなく、自分に合わせて高さを整えるという発想を持ってほしいと思います。
肩のタイプという普段見落としがちな視点を持つだけで、枕選びの精度は大きく変わってくるはずです。



